A:そうですね。一番早くしなければならないのは、相続放棄をするかどうかの判断です。例えば父の借金が多くて相続放棄しなければならないときは、相続開始を知った時から3か月以内にしなければなりません。この手続きをしなければ、父の借金を相続人が相続により負担することとなります。
被相続人が自営業者であるなど、確定申告をしていた場合は、相続開始を知った時から4か月以内に準確定申告が必要です。
そして、相続税の確定申告は、相続開始を知った時から10か月以内にしなければなりません。
また、相続人のうち被相続人の兄弟姉妹を除く人には、法律で保障されている取り分があり、それを遺留分といいます。遺言などでその遺留分を侵害された場合には、遺留分侵害額請求ができますが、その請求は、相続の開始及び遺留分を侵害する贈与又は遺贈があったことを知った時から1年以内にする必要があります。例えば、相続人が被相続人の息子2人のみで、遺言によって被相続人がすべての相続財産を長男に取得させるとしていたとしても、次男には4分の1の遺留分があります。ですから、次男は長男に対して、遺留分侵害額請求として、相続財産の4分の1を自分に支払えと請求ができるのです。その請求ができる期限が1年以内ということです。
このように、相続手続きには期限があるものがありますので、相続が発生したら専門家に相談することをお勧めします。
執筆者:代表弁護士/山下江